SFC Campus Voice 言語文化特集 · 第24 Keio University · Shonan Fujisawa
写真:佐野夢果さん

佐野 夢果さん(さの ゆめか)。SFC環境情報学部2年、静岡県掛川市出身。1年生の春からインドネシア語を学び始め、現在で11ヶ月。学外では講演会の企画・主催やメディア出演にも取り組む。学内ではD&Iと社会福祉を学び、「車いす夢のデリバリー」など場づくりの活動にも関わっている。

教材たち
マイ語キャンプ

〈写真左〉教科書、授業スライド、参考書、過去問──手元に置く道具たち。〈写真右〉マイ語キャンプにて、留学生との交流。

授業に集中する

毎回しっかりと授業に出席し、先生の話によく耳を傾ける。録音やノートに頼りすぎず、その場の説明を丸ごと受け取る構えが大切である。ことばの学習において、授業という場の密度は替えがたい。学びの基本は、ここに尽きるのである。

毎日、ことばに触れる

通学中や就寝前の時間を活用し、単語学習を欠かさず続ける。アプリひとつで十分である。短くとも、毎日続けることに価値がある。言語とは、触れれば触れるほど親しくなるものであり、離れると遠のいてしまうものでもあるからだ。

声に出してみる

文法を頭で理解するだけでは不十分である。実際に声を出し、何度も口に乗せてみること。発音の感覚、音の流れ、息の使い方──すべてが身体の記憶として積み重なる。ことばは頭ではなく、身体で覚えるものなのである。

人と文化に出会う

寮の先輩や留学生との会話、インドネシアのポップス、SNSで流れてくる現地の声──教科書の外には「生きたインドネシア」がある。その出会いが、学びをただの勉強から、ほんものの経験へと変えてくれるのである。

マイ語の魔法

SFCに「マイ語」旋風

「マイ・インドネシア語」──その名にときめいたのが、すべての始まりであった。SFC環境情報学部2年・佐野夢果さん、インドネシア語を学び始めて11ヶ月になる。きっかけは、同じくこの言語を学ぶ素敵な先輩との出会いだったという。淡々と積み重ねられる日々の中に、ひとりの学生が見つけた「ことばの魔法」がある。インドネシア語は27000万人の母語であり、東南アジアの共通語でもある。それを自ら選び、愛し続ける佐野さんの姿に、言語を学ぶことの純粋な喜びを見る思いがする。

Q & A · × Mughni Ali

Q数ある外国語の中から、なぜ「マイ語」を選ばれたのですか。

Aマイ語を学ぶ素敵な先輩との出会いがきっかけであった。言語ガイダンスやマイ語研究室のSNS発信を見て、純粋にわくわくしてしまったのである。その高揚感のまま、迷わず履修を決めた。

Q「集中的に学ぶ」とは、具体的にどのような日々ですか。

A11時間以上は勉強するようにしている。通学中や夜の時間に、教科書や過去問と向き合う日々である。単語学習だけは、毎日欠かさない。習慣がことばを育てると、今は確信している。

Q学んでいて、一番ときめいた瞬間はいつですか。

A寮のインドネシア人の先輩や、マイ語キャンプで出会った留学生と話す瞬間である。教科書のことばが、生きた声となって返ってくる。その瞬間、学んでいてよかったと心から思えるのである。

Qインドネシア語の「難しさ」と「面白さ」を教えてください。

A語順が日本語とも英語とも異なるため、最初はとまどった。しかし接頭辞・接尾辞の規則がわかると、知らない単語の意味が推測できるようになる。そこが面白くてたまらないのである。

Q音楽もインドネシア語学習に活かしているそうですね。

Aインドネシアのポップスをよく聴いている。歌詞を追いながら意味を調べると、自然とリスニング力が伸びる感覚がある。ことばは耳から入ってくるものだと、あらためて実感している。

QSFCという環境は、語学学習にとってどんな場所ですか。

A留学生が多く、キャンパスの中にインドネシアがある、という感覚である。食堂でインドネシア語が聞こえてくることもあり、教室の外もまるごと学びの場になっている。これはSFCならではだと思っている。

QD&Iの活動と言語学習は、どこかつながっていますか。

A大いにつながっていると感じている。相手のことばで話そうとすること自体が、相手を尊重するという意思表明であるからだ。インドネシア語を学ぶことは、インクルージョンの実践でもあると考えている。

Qこれから、マイ語を使って何をしたいですか。

Aまずは今年の夏、インドネシアへ行きたい。各地を回り、現地の大学生と話してみたい。将来は福祉の現地調査をインドネシア語でおこない、ことばが橋をかける瞬間を自分の手でつくりたいと思っている。

 出会いという始まり インドネシア語との出会いは、偶然ではなく必然に近いものであった。先輩のことばへの情熱に触れ、佐野さんは「これだ」と感じた。言語選択とは、ある意味で人生選択でもある。どのことばを学ぶかは、どんな世界を覗くかを決めることだからである。
「継続」とはよく言われることばであるが、佐野さんの学習姿勢を見ていると、その意味を新たに考えさせられる。毎日欠かさない単語学習は、義務ではなく習慣となり、やがて呼吸と同じように自然になった、と本人は語る。まさにことばが身体に馴染む瞬間である。
インドネシア語が話せると、世界の見え方が変わる。東南アジア最大の国の文化、歴史、人々の感情の機微が、翻訳を介さず直接飛び込んでくる。佐野さんが描く未来──福祉の現地調査──は、ことばの力を社会へと還元しようとする試みに他ならないのである。
SFCは、言語を「教室の内」に閉じ込めない場所である。廊下で交わされる多言語の声、食堂のにぎわい、留学生との何気ない雑談──すべてが教材となる。佐野さんはそのSFCらしさを最大限に活かしながら、ことばを生きた道具として磨き続けているのである。
Q&A with Mughni Ali 亜里夢具仁
写真:インタビュー風景

SFC2年生・本紙取材担当のMughni Aliが、同じ時代を学ぶ友人として佐野さんに聞いた。撮影:藤沢キャンパス。

「インドネシア語は学びやすくて、
とても楽しい言語。
学ぶことで、世界が広がる。」 ── Yumeka Sano

Profile · 佐野夢果

所属 SFC環境情報学部2
出身 静岡県掛川市
学習歴 11ヶ月(1年春〜)
関心領域 D&I・社会福祉・場づくり
今後の目標 夏のインドネシア渡航・現地福祉調査
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